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<title>silence</title>
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<description>一次創作と二次創作(主にワンピ/ゾロル)の小説です。</description>
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<title>恋人　５</title>
<description> 隣りに立って手を繋いだり、肩や腰を抱いたり。二人の間の隙間をなるべく無くしてくっついていたい。そう思うようになったのは、いつからだっただろう？多分、きっとこういうことだ。スキ、というのは。恋　人少し遅めの昼食は、ちょっとしたイベントだった。それというのも、二人が入ったお好み焼き屋は店員ではなく自分で焼くシステムだったからだ。テーブルに置いてあるクリアファイル入りの作り方を見ながら、砂時計で焼き時間
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<![CDATA[ <font size=2>隣りに立って手を繋いだり、肩や腰を抱いたり。<br />二人の間の隙間をなるべく無くしてくっついていたい。<br />そう思うようになったのは、いつからだっただろう？<br /><br /><br />多分、きっとこういうことだ。<br />スキ、というのは。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><span style="font-size:x-large;"><strong>恋　人</strong></span><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />少し遅めの昼食は、ちょっとしたイベントだった。<br />それというのも、二人が入ったお好み焼き屋は店員ではなく自分で焼くシステムだったからだ。<br />テーブルに置いてあるクリアファイル入りの作り方を見ながら、砂時計で焼き時間を諮りつつ…という具合だ。<br />たかがお好み焼き。<br />されどお好み焼き。<br />ルフィが読み上げるままにゾロがまず作り始めた。<br />ひっくり返すところはなんなく成功。<br />だが、問題はそのあとだった。<br />二人がオーダーしたものには具として生卵が別添えでやってきた。<br />それをひっくり返した上に乗せるのだが…<br /><br />「あ」<br /><br />と、ルフィが気づいた時にはもう遅い。<br />卵は落とされ、そして流れた。<br />鉄板の上に。<br /><br />「おい、これ全然半熟卵になんねぇだろ」<br /><br />憮然とした声。<br />二人の視線の先でジューッと音を立てて白身に火が通っていくそれは、半熟卵というより目玉焼きといった有様で。<br /><br />「いや、だからさー。落とす前に真ん中へこませないとダメだったんじゃねぇ？」<br />自分の分の卵を手に持ったまま、ルフィは吹き出しそうになる。<br />「…移動させるか、これ」<br /><br />舌打ちしたゾロは言うが早いか手に持ったテコを目玉焼きに向けた。<br />当たり所が悪かったのだろう。<br />黄身が流れ出し最早収集のつかない状態を迎え、そして最終的にはスクランブルエッグというかむしろそれはもういり卵だろと思わざるを得なくなった。<br /><br />「うわー…哀れだなー、なんかそれ」<br /><br />見事作製に大成功したとろとろの半熟卵の乗った自分のお好み焼きと、無残ないり卵が乗ったゾロのそれとを見比べて、ルフィは思わず呟いていた。<br /><br />「いいんだよ、これで！男の料理ってやつだ」<br />「なんだよ、それー！」<br /><br />こみ上げる笑いは子供じみた言い訳をゾロがしたからだ。<br />男の料理というならば、自分作のこれだってそうなのだから。<br /><br />「笑うな！」<br />「だって、ゾロ、おもしろすぎだろ！」<br /><br />声をあげて笑うルフィを軽く睨んでまたも舌打ち。<br />直っていない寝癖のせいかどうなのか、睨まれてもなんの迫力もなかった。<br />今日はなんだかレアなゾロばかり見ている気がする。<br />私服、寝癖、料理、照れたりスネたりそんなゾロの表情は見るのは初めてだ。<br />もしかしたら昼食後にはじゃぁなと言われてしまうかもしれないが、今日この後も一緒にいられるなら、一体どんなゾロが出てくるのだろうかと思った。<br /><br />レアなゾロってなんかカワイイしなー。<br /><br />猫舌を火傷しないよう慎重に食べ進めながらそんなことを考えていると、ふと大口を開けているゾロと目が合った。<br />ニッカリ笑ったら視線を逸らされてしまったのだが、ホワンと揺れた寝癖のせいで気にはならなかった。<br /><br /><br /><br />昼食の後は、さまざまなテナントが並んでいるアウトレット内で、なんとなくウインドーショッピングをした。<br />エスカレーターを下った正面にあったメガネショップで面白半分に試着してみたり、ゾロが春用のジャケットが欲しいと言い出して手近にあったショップを覗いてみたりした。（ちなみにゼロの数が一つ多かったので購入はあえなく断念した）<br />そろそろ見たい場所もなくなったころ、この後どうする？と切り出したのはゾロの方だった。<br /><br />「この後？ゾロ時間平気なのか？」<br />「あぁ、まぁ。ヒマだからな」<br /><br />事も無げにそう言って、ルフィの返答を待つように視線を下げる。<br /><br />「オレもヒマだけど…でも電車乗って帰んなきゃなんないから駅から遠くなんのはヤだな」<br />「それは心配しなくていい。帰りは家まで送ってくつもりだから」<br />一瞬、ポカンとしてしまう。<br />まったく想定していなかったことだからだ。<br /><br />「マ、ジでか！？」<br />「あ？そりゃまぁ、出てきてもらったわけだしな」<br /><br />なにをそんなに不思議がることがある？と、顔に書いてあるような怪訝そうな表情に、最初からそう思っていたのだとわかって、ルフィの頬が嬉しさに綻んだ。<br /><br />ここでバイバイかと思ってたのに！だってゾロだぞ！？<br /><br />休日は大概寝て過ごすと豪語しているゾロだ。<br />アウトレットから直結している駅まで送ってくれたとしても、車で家まで送ってもらえるなんて考えもしていなかった。<br />それでなくてもこの男、興味のない相手への冷たさには定評があるのだ。<br /><br />てことはオレにちょこっとは興味あるってことだよな？<br /><br />「で？どうする？」<br /><br />声を浚うような風が吹いて、ゾロのピアスが高く細い金属音を立てた。<br />いつもつけている透明のピアスとは全く違うということにルフィはこの時初めて気付く。<br />金色の、雫の形をしたそれは目立つものなのにどうしてだろう？<br />考えなくても答えは出ていた。<br />ピアスの違いが気にならないくらい、ルフィの知っているのとは違う、だがどうしようもなく惹かれるロロノア・ゾロの知られざる一面を見ていることに夢中だったからだ。<br /><br />「……っ」<br /><br />ルフィはコクンと唾液を飲み込んだ。<br />それは本当に唐突に。<br />求められた答えとは違う言葉が口から零れおちそうになって、ルフィは唇を真一文字に結ぶことでそれを堪える。<br /><br />「ルフィ？なんだよ、どうした？」<br /><br />訝しそうな、心配そうな、それでいて優しい淡い緑の瞳が探るように見つめてきて、息が止まるかと思った。<br />そうして実際よりゆっくりと感じる速度で髪を撫でられる。<br />少し冷たい風にかき回される、癖のつきやすい髪を宥めようとするみたいに掻きあげられる感触に、痛いほどに胸が鳴った。<br />こんな風に優しい仕草で触れられたのは初めてだ。<br />いつもはもっと仲の良い友人同士のじゃれ合いのようにしていたから、こんな感覚は知らない。<br />このまま見つめられていたら、きっと心臓が止まる。<br />慌てて下を向いたルフィは、何か答えなければと焦り、咄嗟にここへ来る時車の中で話したことを思い出し口にしていた。<br /><br />「ドライブ、連れてけ！」<br />「―ドライブ？ってどこにだよ？」<br /><br />ルフィが答えたとともにゾロの手が離れて行く。<br />このままでは困ると思っていたのに、いざそれがなくなると途端に空寒さを覚えてしまうからなんだか嫌になる。<br /><br />「どこ…どこって…」<br /><br />ルフィは必死にどこに行きたいかと自分に問いかけてみる。<br />よく考えていたわけではないからどうしようと再び焦っていたら思い出した。<br /><br />「夜景のキレイなところ、とか！」<br />「夜景…？」<br />ゾロが軽く首を傾げる。<br /><br />「ほら、さっきさ、車ん中でな、夜景の話してた、じゃん？んでな、行きてぇなって思ったんだ」<br /><br />聞かれもしないのに理由を述べるのは、男同士なのに夜景を見に行きたいなどと言い出した自分がなんだかとてつもなく恥ずかしくなってしまったからだ。<br /><br />「ダメだったら、いい、けど。オレが運転するわけじゃねぇんだし！遠かったら大変だからな！」<br /><br />断られる前に予防線を張った。<br />これでもしダメだと言われてもなんとなく安心する。<br />だからゾロの答えには呆けてしまった。<br /><br />「いや、別にかまわねぇが。ただ場所がな…どこがイイか…」<br /><br />ボケッとするルフィの前で、ポケットに手を突っ込んで車のキーを取り出し確認したゾロは、ぶつぶつ言いながら歩き出したが、ルフィがその背中を見ていると上体を捩じって振り返る。<br /><br />「ボケっとしてると置いてくぞ」<br /><br />そうだった。<br />放心している場合ではなかった。<br />このままここで突っ立っていてもゾロと夜景は見に行けない。<br /><br />…ゾロと夜景、見に行けんだ…<br /><br />まだ一緒にいられる。<br />その上、数時間前に望んだことがもう叶うのだ。<br />なんだかふわふわとして現実味が薄いのは、きっと今すごく幸せな気持ちだから。<br />小走りにゾロの背中を追いながら、さきほどまでは冷たいと思っていた頬に当たる風が、やけに心地よい涼しさだと思う。<br />ルフィの顔は、耳まで真っ赤だった。<br />ただし本人は気付かないまま、なのだが。<br /><br /><br /><br /><br /><a href="" title="恋人６"><span style="color:#ffffff">＊ｎｅｘｔ＊</span></a></font><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ゾロル/パラレル</dc:subject>
<dc:date>2009-08-05T22:57:56+09:00</dc:date>
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<title>夢のつづき　６</title>
<description> 　安全運転で帰路を進みながら、佑は穏やかな気分だった。明日の休日を前に、今日はいつもより早い時間に仕事を済ませることが出来た。本社ビルを出る前に一度メールを入れたし、この時間なら彗は起きているかもしれないと思う。平素だとこれより最低でもあと二時間は遅い時間の帰宅となるので、彗はいつも眠ってしまっているのだ。朝が早いだろうから、自分に構わずに寝ているようにと言ってある。それは二人の共同生活が始まった
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<![CDATA[ <font size=2>　安全運転で帰路を進みながら、佑は穏やかな気分だった。明日の休日を前に、今日はいつもより早い時間に仕事を済ませることが出来た。本社ビルを出る前に一度メールを入れたし、この時間なら彗は起きているかもしれないと思う。平素だとこれより最低でもあと二時間は遅い時間の帰宅となるので、彗はいつも眠ってしまっているのだ。朝が早いだろうから、自分に構わずに寝ているようにと言ってある。それは二人の共同生活が始まった最初の頃に、佑が帰って来ると眠そうな目をしながら起きてくる彗を思い遣って、約束したことだった。<br />　音羽が言っていたように、彗はとても細やかな気遣いが出来る人間だった。まるで身を潜めていると表現しても過言ではないくらいに、ひっそりと生活しているのが感じられる。彼がこれまでにどんな環境下にいたのかはわからないが、あんな風に生きる人間を佑は他に知らない。だからなのか、少し心配になってしまう。今朝の遣り取りにしても、もっと自分を主張しても良いのだと、自分を卑下するなと言ってやりたい。<br />―弁当、美味しかったな。<br />今朝彗から受け取った弁当は、すっかり空になって包み直され助手席に乗っている。時折振動で、中の箸がカチャカチャと軽い音を立てていた。帰ってもしも彼が起きていたら、世辞や冗談でなくすごく美味しかったとちゃんと伝えてやろうと思う。言葉は伝えるためのものだ。<br />―伝えられる相手には、ちゃんと伝えたいからな…<br />佑にはもうずっと、一番伝えたい言葉を言えない相手がいる。<br />愛している。<br />その一言が言えない。否、言ってはならない相手なのだ。それは彼の思い人であり、実の兄なのだから。<br />佑がその想いに気付いたのはまだ高校を出てすぐの頃だった。きっかけはもう何だったのか忘れたが、それ以来特定の恋人を作ることは出来なかった。かといって佑は非道く真面目な人間なため、大学を卒業した後は仕事に忙殺されているのもあるが、適当に遊ぶということもなく、今に至っている。親友に言わせると、引く手あまただろうに勿体ないということらしいが、これが性分なので仕方ないのだ。<br />だが学生時代に一度だけ、知人の紹介で付き合った女性がいた。自分では上手くやっているつもりでいたが、一年ほど経ったある日言われてしまった。<br />『あなたの中には別の誰かが住んでいるのね』<br />背後から斬りつけられた気がして、何も言うことが出来なかった。もし否定していたならと考える。だがきっと、自分はいつまで経っても彼女を愛することは不可能だったろう。そんな状態で人を一人縛り付けるのは自分のエゴに過ぎない。別れても何ら辛いと思わなかったのだから、きっとあの結果で正解だったのだ。自分は随分酷い人間だったと思った。だからその後は誰にどんなに言われようと、恋人は作っていない。告白されたことも何度もあったが、丁重に断っていた。<br />最近、この恋心が昇華する日などやってこないのではないかと思う。このままずっと、本来ならばあらぬべき形で兄を愛し続けながら年老いていくのだろうかと。<br />ステアリングを握りながら、佑は唇を噛む。<br />どうして、自分は実の兄を家族への愛情とは別の形で愛してしまったのだろう？兄はもう結婚しているし、来年の夏には子供も生まれるのに、どうして？<br />覚悟をしていたつもりでいたのだ。弟として、仕事の上でのパートナーとして兄の傍で生きると決めたその時に。それなのに最近、そのどちらも放棄してしまいたい気分に陥っていた。<br />だから、家を出ることに決めたのだ。兄夫婦も実家で暮らしているので、少しでも接点を減らしたかった。<br />生まれて始めての独り暮らしは散々な物だった。今までは全て他人任せで良い環境にいたので、佑には生活能力というものが一切備わっていなかったからだ。高価な電化製品も置いてあったところで使い方がわからなければ全く意味を成さず、食事は常に外食か買って来た物になった。洗濯物はクリーニングに出してしまえば良かったが、一番参ったのが部屋がみるみる荒れていく事だ。どうやら掃除が一番苦手らしいとそこで初めて気がついたが、どうしようもなかったところに、彗が来てくれた。<br />初めて彗を部屋に上げた時を思い出して、佑は苦笑する。<br />荒れ放題のリビングに通すと、彗は口を小さく開いて絶句した。表情の乏しい彼が、誰が見てもわかるくらいに驚いていたのだから、あの汚さは相当だったなと思う。<br />佑自信困っていたので、音羽の紹介に二つ返事で承諾してしまってすぐは自分の安易さにどうかと思ったが、彗に家事を頼んだのは大正解だ。彼はとてもよく働いてくれている。中でも佑は彼の料理が大変気に入っていた。実家での食事はお抱えのシェフが作っていたので所謂家庭料理というものに佑は縁が薄いのだが、彗が作るものはまさにそういったメニューで、味付けもすごく好きなのだ。おかげでここ最近で大好物が増えた。だから、今朝彼に言った、弁当を作って欲しかったというのは全くの本心なのだ。彗はなんだか訝しそうにしていたが。<br />一刻も早く自宅に帰り着けば良い。そうしたら、美味しかったと伝えよう。言ったら彼は笑ってくれるだろうか？<br />彗の笑顔が見たかった。最初の夜、救急センターの待合室で目にした小さな笑顔が、脳裏に焼き付いている。まるで花が綻ぶようだった。<br />―そういえば…<br />考えたことがなかったが、音羽と彗は友人だということだが、一体どんな経緯で知り合ったのだろうか？二人の年齢差を考えれば普通に知り合うことなどないだろう。例えるならとても臆病な猫のような彗が、音羽には信頼を寄せているのが見て取れたが、医者と患者という雰囲気とも違う気がする。となると自分には接点が掴めないと思う。<br />そこで遅ればせながら気付いたが、考えてみれば彗のことは音羽と友人だということと彼が大学生だということ以外何も知らないのだ。<br />―知られたら心配するだろうな。<br />実家に置いてきた自分の世話役のあの男は…と、頭の中に老年の男が思い出される。彗との共同生活のことは誰にも言っていない。この歳で独り暮らしをしている大の男が何をしていようと、逐一報告する義務はないだろう。それに、何も知らなくても音羽の紹介なのだから安心していても良いだろうと思うのだ。何かあったら彼に訊ねれば答えは得られるだろう。<br />それよりも、自分こそ彗に何も言っていなかった。帰ったら彗と話しをしてみようか。<br /><br /><br /><br /><br />佑が玄関を入ると、リビングの扉が静かに開いて彗が姿を見せた。<br />「ただいま」<br />「お、おかえりなさい」<br />彗は夕食の支度をしていたのだろうか、エプロンの裾をキュッと握りしめて小さな声でそう言った。この部屋の玄関などという場所で誰かにそう言って迎えて貰えるのが、佑には新鮮で嬉しくなる。<br />自然と笑顔になって、足を庇いながら歩いてくる彗の頭に腕を伸ばす。<br />「足の具合はどう？あんまり無理しちゃ駄目だよ？」<br />「だ、大丈夫、です…。あの、ゴハンとお風呂…どっち先にしますか…？」<br />佑に頭を撫でられたまま俯いて、そんな新妻のような事を言う。少し顔が赤いのはその台詞に照れているからだろう。無意識に可愛い子だなと思った。<br />「そうだなぁ…。篠原くんはゴハン食べた？」<br />訊くと、彗はフルフルと頭を振った。<br />「…笹生さん、から…ご連絡、あったので…ご一緒しようと、思って」<br />「そうか、待っててくれてありがとう。食事は誰かと一緒の方が美味しいからね。それならゴハンを先にしよう。オレは着替えて来るよ」<br />佑はそう言いながらも、彗を支えてやりながら一度リビングまで行ってから自室へと戻った。部屋着に着替えて食卓へ向かうと、テーブルの上には湯気の立った料理の数々が用意されていた。<br />「今日は中華なんだね」<br />キッチンで食器を用意している彗の元へ行き、彼の手からさり気なく皿を奪う。次の皿も自分の手の中に収めて、佑はテーブルへと運んだ。<br />「あとは？」<br />困ったような顔でもう無いと伝えるべく彗が首を横に振る。彼は本当に無口な子なのだ。<br />「これくらいオレでも出来るんだから、怪我人は遠慮なんかしないんだよ」<br />笑いながら言ってやると、彗は驚いたようだ。表情に変化などほとんどないのに、彼の言いたいことがわかるのが佑自身不思議だった。<br />「さぁ、食べようか。美味しそうだな、今日も」<br />彗が用意してくれたのは、胡瓜とセロリ、それに鶏肉を使った前菜と、卵と葱のスープ。それから麻婆豆腐だった。<br />佑は当然のように彗の席の椅子を引き、ギブスの取れない足に負担が掛からないよう静かに座らせてやってから、自分の席に着いた。<br />「さて、いただきます」<br />「…いただきます…」</font><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>cure/笹生佑×篠原彗</dc:subject>
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<dc:creator>silenceAI</dc:creator>
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<title>恋人　４</title>
<description> この時間がずっと続けば良いのに。いつ逢いに行っても許されるようなら良いのに。時間を共有したいと思うようになったのは、いつからだっただろう？多分、きっとこういうことだ。スキ、というのは。恋　人アウトレット内の立体駐車場のエレベーターから施設内に入り、四階の連絡通路からレストラン街のある建物を目指す。ゾロがまったくのフィーリングで道を選ぼうとするから、ルフィが画面を見て道順を口で案内する、というカーナ
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<![CDATA[ <font size=2>この時間がずっと続けば良いのに。<br />いつ逢いに行っても許されるようなら良いのに。<br />時間を共有したいと思うようになったのは、いつからだっただろう？<br /><br /><br />多分、きっとこういうことだ。<br />スキ、というのは。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><span style="font-size:x-large;"><strong>恋　人</strong></span><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />アウトレット内の立体駐車場のエレベーターから施設内に入り、四階の連絡通路からレストラン街のある建物を目指す。<br />ゾロがまったくのフィーリングで道を選ぼうとするから、ルフィが画面を見て道順を口で案内する、というカーナビの意味があまりないことを繰り返してここまで辿り着いた二人だった。<br />ゾロの方向音痴は度を超えすぎていると有名で、数々のレジェンドを作り上げているらしい。<br />その意味が、なんとなくわかった気がしたルフィだ。<br />わざとそうしているのかと思うくらいにゾロの勘は反対の道をセレクトする。<br />あれでは目的地にはたどり着かない。<br />だが信じられないことに、ゾロは昔はよくドライブに行っていたらしい。<br /><br />「ゾロは車運転すんのスキなのか？」<br />慣れた仕草でステアリングを操るゾロにルフィが質問したのは、右折した直後のことだった。<br />しばらく直進なので、話しかけても良いだろうと判断。<br />「まぁキライじゃぁねぇな。昔はよく意味もなく走らせたりしてたしな」<br /><br />それは道に迷ったからそのままどっか行っちまったんじゃねぇの？<br /><br />と、危うく言ってしまいそうになったが、なんとか口には出さずにいられた。<br />「で、どこ行ったんだ？楽しかったとことかあるか？」<br />「あんま覚えてるわけじゃねぇが…。夜景はキレイだったな」<br />ゾロと夜景。<br />激しく結びつかない。<br />瞬間的に想像出来ないと思ってしまったが、それは自分もかと思い直した。<br />それよりも気になるのはそれは誰と行ったのか。<br />夜景というなら一人ではないような気がしたので。<br />「ふーん…。か、彼女とかと行ったのか？」<br />「いや。仲間とだな。ヤローばっかで色気もへったくれもなかった。そういや女と夜景は行ったことねぇ」<br />ゾロが懐かしそうに笑いながら口にした言葉に、ルフィはホッと胸をなで下ろした。<br />過去のことだろうがなんだろうが、ゾロが恋人と夜景を見に…などというのは想像するだけで苦しくなりそうだからだ。<br /><br />オレが一緒に行きてぇって言ったら行ってくれっかなぁ？<br /><br />出来るなら、いつか。<br />そう思っているとカーナビから“もうすぐ左折”と言われる。<br />事務的な音声を繰り返すように伝え、ルフィは再び画面を見つめることに神経を費やしたのだった。<br /><br />飲食店の入っているフロアまで再びエレベーターで上がり、どの店にしようかとさんざん迷った結果、ルフィはお好み焼き屋を選択した。<br />「ここにしよう、ゾロ！オレ決めた！」<br />ゾロはどこでも良いらしく、大欠伸をしながら『じゃぁ、ここで』と言葉にならない言葉で言った。<br />寝ることが趣味な男は、どうやらまだ眠いらしい。<br />店内は、平日のランチタイムを過ぎた時間帯ということもあり、ゾロとルフィの他には窓際の席に中年の女性が二人いるだけだった。<br />案内された席に向かい合って座り早速メニューを開く。<br />なににしようかまた迷っていると、水を持ってきてくれた女性店員が本日のオススメを紹介してくれた。<br />店員が下がってしまうとゾロがボソリと言う。<br />「美味そうだな、これ」<br />オススメメニューを指さしてゾロが言った。<br />豚肉や魚介がふんだんに具として使われているらしい写真には、トッピングにとろとろの半熟卵と大葉が乗っている。<br />「大葉ってゾロ大丈夫なのか？」<br />匂いの強い食品はダメだとか以前電話した時に話していたのを思い出して、不思議に思った。<br />「“おおば”ってなんだそりゃ？」<br />「えっ！？ゾロ大葉も知らねぇのかぁ？」<br />酒はともかく食にはあまり興味がないと知ってはいたが。<br />「あぁ、知らねぇ」<br />「これだよ、この緑のやつ。しそっ葉だよ」<br />教えてやると途端に嫌そうな顔になった。<br />“大葉”は通じなくても“しそっ葉”ならわかったらしい。<br />苦虫でも噛みつぶしたような顔をするので笑いたくなる。<br />「やっぱダメなんじゃん」<br />「だってあれはマズイ」<br /><br />“だって”とか、ガキみてぇ。<br /><br />まるで子供の言い訳だ。<br />型式だけでそれがどういった製品なのか識別できる、家電量販店の頼れる次長が幼さを垣間見せるからカワイイとしか思えないではないか。<br />それに…<br />「なぁゾロ、気付いてねぇの？それ」<br />ルフィの目線は、ゾロの顔より少し上に向いている。<br />「それってなんだ？」<br />「寝癖、ピョコンてなってる」<br />顔を合わせた時からホワンホワンしていた。<br />ゾロはバッ…と頭に手をやると、サァッと頬を赤くした。<br />「…跳ねてんのどこだ…？」<br /><br />うあー！ゾロかわいいなぁ！<br /><br />ニシシ！と笑いながら場所を教えてやると、ゾロはそこを撫でつけようと必死になり始めた。<br />だがあまり言うことをきいてくれず、またピョコンと跳ね上がる。<br />「そのままでもいーじゃん、別に。仕事じゃないんだしさ」<br />「そういう問題じゃねぇだろ」<br />舌打ちしたいのに失敗したというような顔をしていても頬はまだ少し赤いままだ。<br />“ロロノア次長”の寝ること以外の趣味はワイシャツのアイロンがけ。<br />スチームアイロンについて熱く語っていたゾロをルフィは忘れることができない。<br />自らアイロンがけした皺一つないシャツを着て、清潔でピシリとした彼としては寝癖が許容できないのだろう。<br />「“ロロノア次長”の寝癖とか初めて見ちゃったな、オレ。レアだ、レア！」<br />ニマニマ笑いながら言ったら軽く睨まれた。<br /><br />「うるせぇ黙れ！急いでたから確認してなかったんだよ！」<br />オマエ待たしてたからと続いて、ルフィのニマニマは満面の笑みに変わった。<br /><br />「そんなに焦ってくれたのは嬉しーな、オレは！」<br />素直にそう伝えたら、今度こそゾロは本当に舌打ちをして視線を逸らす。<br />それでもどうしても、耳や首までほんのり赤く染まっているのだけは隠せていなかった。<br /><br /><br /><br /><br /><a href="http://silencenovel.blog7.fc2.com/blog-entry-120.html" title="恋人５">＊ｎｅｘｔ＊</a></font><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<title>ゾロルｄｅパイン</title>
<description> ゾロルｄｅパイン以前の日記に描いたイラストからの妄想。人間のキューピッドをしてスタンプカードがいっぱいになったら願い事が一つだけ叶う。 ルフィも仲間のサンジも願いは人間になること。 空色屋根のドールハウスはシャンクスの店。そこで人形のふりをしながら、ターゲットになる最後の人間を待っていた二人の小人の前に現れたのが大学生ゾロ。小人を見ても動じない（というか夢だと思って相手にされなかった）ゾロが面白くな
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<![CDATA[ <fonto size=2><span style="color:#ff9900"><span style="font-size:large;"><strong>ゾロルｄｅパイン</strong></span></span><br /><hr size="1" /><br /><span style="color:#ff9900">以前の日記に描いたイラストからの妄想。</span><br /><hr size="1" /><br /><br /><br /><span style="color:#009933">人間のキューピッドをしてスタンプカードがいっぱいになったら願い事が一つだけ叶う。<br /> <br />ルフィも仲間のサンジも願いは人間になること。<br /> <br />空色屋根のドールハウスはシャンクスの店。<br />そこで人形のふりをしながら、ターゲットになる最後の人間を待っていた二人の小人の前に現れたのが大学生ゾロ。<br />小人を見ても動じない（というか夢だと思って相手にされなかった）ゾロが面白くなって、サンジとのタッグでゾロの恋を叶えようとするルフィ。<br />恋の相手などいないというゾロにサンジは他の人間を探そうと言うが、結局『オレはコイツがいい』と言うルフィに負けてしまう。<br />移動する時は肩に乗ったり胸ポケットに入ったりして。<br />一緒に過ごすことになったゾロとルフィはお互いを好きになってしまう。<br /> <br />人間を好きになってはいけない。<br />つまり好きと言ってはいけない。<br />もしもそれを破ったら人形になってしまう。<br />それが小人の掟。<br /> <br />ルフィはもちろん、それ知っているゾロも伝えたいのに伝えられない。<br />そんな折り現れた、ゾロの昔の親友くいなにそっくりなたしぎ。<br />話をきいてサンジはゾロとたしぎをくっつけようとルフィにもちかける。<br />悩んで暴れてルフィもそうしようと決めた。<br /> <br />ゾロはそれを知って自棄になりたしぎとつきあうと決め、まだそれを知らない二人をおいて大学のサークルでキャンプへ行ってしまう。<br />置いて行かれた二人はドールハウスへ戻り、ゾロの帰りを待つことにする。<br />だがゾロのことも一段落したからスタンプを貰えると踏んだサンジは、自分の恋の相手であるナミがいるところへ行くとルフィに告げる。<br />ルフィは一度はサンジと一緒に行こうとするが、途中でゾロのところへと戻っていく。<br /> <br />一方ゾロは、キャンプ中に些細なことからたしぎに他に想っている人がいるのではと示唆されてしまう。<br />キャンプをすっぽかして帰ることにしたゾロ。<br />終電ギリギリで、電線が断線したため停電中の家に帰ると食い散らかした跡が。<br />ルフィとサンジが出入りするからと開けっ放しにしていたキッチンの窓の下。<br />作業台に広がった食べ物の残骸の中、駅から自力でゾロの家まで来て疲れきった小さなルフィが寝ていた。<br />ゾロが笑っていると小人は目覚める。<br />暗闇の中にキャンドルを灯し二人はひさしぶりに穏やかに話し始めた。<br />そしてルフィはついに言う。<br /> <br />「掟とか人形んなっちまうこととか余計なもん全部どかして残ったのはひとつだけだったんだ」<br /> <br />キャンドルの暖かい色の光の中<br />ルフィは両手全部を使ってやっと、ゾロの指を一本だけギュウっと握った。<br /> <br />「ゾロんこと好きなんだ」<br /> <br />ルフィは笑っていた。<br />ゾロが大好きな子供みたいな笑顔だった。<br /> <br />ルフィの全身から力が抜けてゾロの手の中にゆっくりと倒れていく。<br />闇の中。<br /> <br />「…ルフィ…？」<br /> <br />ゾロの声だけが響いていた。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br />数日後、ゾロはドールハウスにやってきていた。<br />顔を上げたシャンクスに「奥だよ」と言われて母屋の方へ。<br />そこにいたのは高校の制服を着たルフィだった。<br />「おはよ！ゾロ！」<br />「リボンちゃんと結べてねぇぞ」<br />制服のリボンがどうしても上手に結べないルフィに代わりゾロが結んでやって。<br /> <br />もう両手全部使わなくても二人の指は楽に絡めることができた。<br />二人は触れるだけのキスをする。<br /> <br /> <br />二人が行ってしまうとシャンクスは代々引き継いできた小人のルールブックを見返した。<br />ルフィがなぜ人形になってしまわなかったのか、安心はしたがどうしても解せなかった。<br />どうしてだ？とページをめくっていくうちにあることに気付く。<br />ページが一枚くっついてしまっていた。<br />初めて気付いたそれをペリペリと剥がすとそこには、おそらく謎の答えだろうことが書かれていた。<br />本を閉じながら、シャンクスは納得したように笑う。<br /> <br />カランと音を立てて店のドアが開いた。<br />そこには人間になったサンジとオレンジ色の髪の女性が立っている。<br />喜ぶシャンクスと照れたようなサンジがお互いに再会の挨拶を交わす外では<br />晴天の空に鳥が飛んでいる。<br /> <br />風でパラパラとページがめくれる。<br />そこには。<br /> <br />『小人は人間に恋をしてはならない。ただし二人が赤い糸で結ばれている場合は例外とする。』<br /> <br /> <br /> <br /> <br />End.<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br />ポー××パイン・二巻のゾロルさんパロでした。<br /><br /><br /><br /><br /><br /> </span> ]]>
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<dc:subject>ゾロル/パラレル</dc:subject>
<dc:date>2009-06-04T08:13:20+09:00</dc:date>
<dc:creator>silenceAI</dc:creator>
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<title>二回目のキス</title>
<description> 二回目のキス暮れかけた空の下をルフィシロウは歩いていた。その歩みは遅い。なぜかと言えば、斜め掛けにしているショルダーバックの中の一枚のプリントのせいだ。それが重い。そりゃもう漬け物石かってくらいの重さなのだ。もちろんそれは物理的にではなくて精神的にそう感じるということで。その辺に捨てておきたい。“進路希望調査書”という名のプリントはルフィシロウの分ではなく、今日学校を休んだゾロミチのものだ。コトの始
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<![CDATA[ <strong><span style="font-size:large;">二回目のキス</span></strong><br /><hr size="1" /><br /><br /><br /><font size=2>暮れかけた空の下をルフィシロウは歩いていた。<br />その歩みは遅い。<br />なぜかと言えば、斜め掛けにしているショルダーバックの中の一枚のプリントのせいだ。<br />それが重い。<br />そりゃもう漬け物石かってくらいの重さなのだ。<br />もちろんそれは物理的にではなくて精神的にそう感じるということで。<br />その辺に捨てておきたい。<br />“進路希望調査書”という名のプリントはルフィシロウの分ではなく、今日学校を休んだゾロミチのものだ。<br />コトの始まりは帰りのHRだった。<br /><br />「ルフィシロウ」<br />赤髪先生ことシャンクスから配られた藁半紙を見ていると、名前が呼ばれた。<br />顔を上げるともう一枚同じものが渡される。<br />「ボクはもう持ってますけど」<br />手元にこれこの通り。<br />「これゾロミチに届けてやってくれ」<br />笑顔で言われて一瞬固まった。<br />「な…！？なんでボクが！？」<br />「だってオマエ、ゾロミチと仲イイだろ」<br />あっけらかんと言われて倒れそうになる。<br />「そうよねぇ。アイツと仲イイって言ったらシロウをおいて他にいないわよねぇ」<br />ナミエが爪を磨きながら同意する。<br />「家も近いみたいだしなぁ」<br />パソコン画面を睨んだままそう言ったのはウソヤだった。<br />「ふふ…。面白い組み合わせね」<br />意味深にロビカが微笑む。<br />「それともシロウはアイツんちに行きたくないわけでもあんのかよ？アイツがコワイとかぁ？」<br />ニヤニヤしたサンスケにバカにしたような横目で見られてカチンときた。<br />「そんなことないけどっ！？ボクはゾロミチくんとはト、トモダチ、だし！」<br />そうだ、そんなことはない。<br />コワイなんてことはない、絶対に。<br />「ふーん？やっぱり二人は仲良しさんなのねぇ」<br />念を押されるように言われて顔が赤くなるのがわかる。<br />恥ずかしくて俯いているとシャンクスを押しのけたサンスケが顔を覗き込んできた。<br />「顔が赤いぜぇ？シロウちゃーん」<br />普段はハーバーディ大学進学を目指して一人マジメに勉強しているルフィシロウだが、ガマンの限界は割と目の前に設置されている。<br />「う、るさーいっっっ！！！！」<br /><br />ドッカーン！<br /><br />ギア２発動。<br />今日も教室が大破した。<br /><br /><br /><br /><br />そもそもなぜこんなに歩みが重いのか？<br />ゾロミチとはギア２を発動させたりしながらそれなりに仲良くやっていたはずだ。<br />だが事件が起こった。<br />昨日の放課後のことだ。<br /><br />昨日はゾロミチが勉強を教えて欲しいと言うので、放課後の教室で“お勉強会”を開催予定だった。<br />生徒指導室に呼ばれていたゾロミチがシャンクスに引っ張られて行ってしまったのを知っていたルフィシロウは、誰もいなくなった教室で戻ってくるのを待っていたのだ。<br />ゾロミチは“お勉強会”をしていても寝てしまったり、心ここにあらずだったりでどうも教えた内容を理解しているような気はしないが、二人だけで過ごせる時間がルフィシロウには嬉しかった。<br /><br />カッコイイんだもん、ゾロミチくん。<br /><br />乱暴な言葉が飛び出る酷薄なクチビル。<br />通った鼻筋、鋭い目元。<br />初めて言葉を交わした時は“オレはナイフのように尖ってるんだ”と真顔で言っていた。<br />どう考えても昭和の香りがした。<br />そんな彼が、眠っている時はちょっと子供みたいな顔になる。<br />本人は知らないだろうけれど、転た寝しているのを間近でみることの出来るルフィシロウは知っている。<br />ゾロミチはすぐ寝るから他のクラスメートも知っているかもしれないが、あそこまで至近距離でじっと見ることが出来たのは自分以外にいないだろうと優越感だ。<br />なにしろ先日、最高６センチという自己記録を更新して、二人の距離５センチまで縮めたばかりだ。<br /><br />ゾロミチくんにはヒミツだけど。<br /><br />ハーバーディ大学へ行くための勉強時間を削っても、ゾロミチと一緒にいたい。<br />ルフィシロウの密かな幸せだ。<br />「早く来ないかなー、ゾロミチくん」<br />机の上に用意した教科書とノートを確認しがてらトントンと揃えながら、ゾロミチを待つ。<br />そうしてから、開け放たれた窓から吹き込む風を心地良く感じつつ、広がる青空を見ていたら大きな欠伸が一つ出た。<br /><br />いつの間にか眠ってしまったらしいルフィシロウが目を覚ました時、目の前にはゾロミチの顔のドアップがあった。<br />ルフィシロウの持つ記録を更新されたくらい近い。<br />ゾロミチの瞳に自分が映っていることすらわかったのだから。<br />クチビルになにかの感触が残っているような気がするのはどうしてだろう？<br />数瞬そのまま凍り付いたが、驚いて椅子から転げ落ちそうになったら、ゾロミチが腕を掴んで助けてくれる。<br />「あっ…あの！ボク、寝ちゃって…？その…ゾロミチくん、い、今なんか…ボクに」<br />「するわけねーだろ！」<br />不機嫌極まりない声で言葉の先を取られて、思わず口を噤んだ。<br />どうしたら良いかわからないからじんわり涙が浮かんでくるし、掴まれたままの腕が少し痛い。<br />ゾロミチの顔を上目で確認。<br />バチン！と正面から目が合って、ルフィシロウはまた慌てて俯いた。<br />「う…！」<br />ゾロミチの口からはなぜだか呻き声が漏れ、次の瞬間ルフィシロウは頭から肩、腕の順にサラリと撫でられた。<br />それがなにか考える前に、ゾロミチはクルリと踵を返す。<br />「あ…」<br /><br />帰っちゃうの？<br /><br />なにも言えずに背中を見送っているとガッタン！と盛大な音がする。<br /><br />だ、だいじょうぶ…？<br /><br />ゾロミチが教室から出て行く前に思い切り誰かの机に脚を打ち付けていた。<br /><br /><br /><br /><br />そんなこんなで疑惑。<br />キス疑惑。<br />あの距離で、なんとなく感じた感触の名残。<br />無意識に自分のクチビルに触れて、それを思い出すように瞳を眇める。<br />昨日はどこをどうやって家に帰ったのか思い出せない。<br />思い出せるのは、教室から外に出るまで点々と残っていた赤い液体の跡くらいだ。<br />あれは一体なんだったのか…？<br />考えるのはコワイので止めたが。<br /><br />とにかくだ。<br />ゾロミチに会ったらどうしようと悩んで、頭の中がグチャグチャで勉強も手につかないまま学校に来てみれば、肝心のゾロミチがいなかった。<br />ホッ…としたのも束の間。<br />いないならいないで気になってくる。<br />大体どうしてキス（疑惑）なんかしたのか。<br />それよりキス（疑惑）されたのが本当かどうかも定かでない。<br />問い詰めるならまずそこからなのか。<br /><br />ボクのファーストキスだったのにな。<br /><br />つらつらと考えていたら帰りのＨＲがやって来て、今に至る。<br />地面に伸びた長い影を、出来ないとわかっていながら自分で踏もうと熱心になってみた。<br />なにやってんだかわからなくなった。<br />やっぱりプリントなんか預からなければ良かった。<br /><br />捨てちゃダメかな。<br /><br />本気で思った。<br /><br /><br /><br /><br />ピンポーン。<br />という音が扉の向こうで鳴ったのがわかった。<br />とあるマンションの一室。<br />結局ルフィシロウはシャンクスの言い付け通りゾロミチの元へやって来ていた。<br />インターフォンを鳴らすのにたっぷり３０分は悩んだが、意を決して押してみた。<br />カチャと音を立てて扉が開くと、面倒くさそうな声とともにゾロミチが姿を現す。<br />「ゾ、ゾロミチくんっ」<br />「シロウ…？」<br />心臓が走った後のように鳴りだして、血液がすごい速さで体中に送り出される。<br />「あ、あの！届け物が、あってね」<br />バックの中をゴソゴソ…更にゴソゴソやって変な風に折れたプリントを引っ張り出した。<br />「ほら、コレ！」<br />顔が熱い。<br />ので、視線を逸らしたままプリントを持った手をずずいとゾロミチの眼前に掲げた。<br />自分が目に入らないように目隠しも兼ねている。<br />「あぁ。サンキュ。まぁ上がってけよ」<br />「いっ…！」<br />“いいよ”と言おうとしたら、強引に腕を引かれて室内に引きずり込まれる。<br />まるで誘拐犯なみの力強さだ。<br />「ね、ねぇ、ゾロミチくん！ボク帰るってば！」<br />「わざわざ来てくれたクラスメートに茶でも出してやるって言ってんだ。ケーキもあんだけどな」<br />「ホントっ！？」<br />ゾロミチは秘密兵器“ケーキ”を使った。<br />ルフィシロウはあっさりと陥落した。<br /><br />ソファに座って箱ごと出されたケーキを食べながら、やっぱりゾロミチくんは優しいなどと考えているルフィシロウの危機管理能力は低い。<br />そしてそんなルフィシロウを見ながら表面上はしれっと、だが一人悦に入っている男がここにいた。<br />この部屋には二人しかいないのだから、残る一方のゾロミチだ。<br />美味しそうにケーキを食べるルフィシロウがカワイイ。<br />すでに３個目でよく嫌にならないものだと思うがルフィシロウがカワイイ。<br />とにかくルフィシロウがカワイイ。<br />どうやらゾロミチの脳内には“ルフィシロウがカワイイ”ということ以外存在しない。<br />そのせいで昨日思わずキスしてしまった。<br />イライラを募らせてルフィシロウが待っているだろう教室に戻ると、件の彼は首をカクンと後ろに倒したまま転た寝の最中だった。<br />近付いてみても目が覚める気配はない。<br />薄く開いた桜色のクチビルと無防備に晒された喉元に唾を飲む。<br /><br />どうにかしちまいてぇ…！<br /><br />その時具体的に浮かんだのがキスだった。<br />誘われるように吸い寄せられるようにクチビルをくっつけてみる。<br />まず柔らかさに驚いて、それがルフィシロウのだということに確かな快感を感じた。<br />つまり、息子さん的な体の一部が元気になった。<br />その後すぐにルフィシロウが目を覚ました時、自分のしたことがバレそうになったので思い切り否定した。<br />そうしたらどうだ？<br />ルフィシロウときたら潤んだ瞳で見上げてきたではないか。<br /><br />その上目遣い…！！<br /><br />おかげで血管が切れた。<br /><br />フ…瞬殺だった…。<br /><br />ものっすごい勢いで鼻血が出てきたから慌てたが、そうとは悟られずに教室を出たい。<br />カッコつけたいお年頃。<br />机で脚を打ったことなど彼の記憶にはないらしい。<br />必死すぎて。<br /><br />「ゾロミチくん？どうかした？」<br /><br />食べ終わって口元にクリームを付けたルフィシロウに名前を呼ばれて夢想から醒める。<br />「別に」<br />言い様ルフィシロウの両手首を自らの手で拘束し、驚き顔の彼の口元に下を這わせる。<br /><br />甘ぇ、な。<br /><br />口腔に広がる甘さは、クリームのせいなのか、ルフィシロウのせいなのか。<br />ゾロミチはそう思ったがクリームのせいだ。<br />確実に。<br />「付いてた」<br />瞳を覗きながら、今舐めたばかりのクチビルぎりぎりの箇所を指先でツイ…と撫でると、瞳を開いたままのルフィシロウが一気に顔を赤くした。<br />「なっ…なっ…！！？？」<br />「オマエはカワイイな」<br />あんまりカワイイので思わず口から出てしまって“しまった”と思ったが、まぁ良しとする。<br />ルフィシロウがますますカワイイ顔になったので。<br />困ったように眉を寄せて、逸らせないのか逸らさないのか、正面からぶつかったままの瞳が潤んで行くのをゾロミチはつぶさに観察していた。<br />「そんな都合イイこと言っちゃってさ…！昨日だって…何にも言ってくんないし…！ゾロミチくんなんか大っ嫌い…！！」<br />大きな瞳に比例するような大粒の涙がボロボロ零れて、ルフィシロウはゾロミチに手首を掴まれたままで泣き出してしまった。<br /><br />ったく…！コイツは…！！<br /><br />どうしてこうもカワ（以下略）<br />ゾロミチはルフィシロウの華奢な体を自分の胸元に押し付けるように抱き込んだ。<br />「嫌われんのは困る。こう見えてもオレはオマエに惚れてんだ」<br />嫌いな勉強を教えてくれと頼んだのも、出逢った頃、ことあるごとにちょっかいをかけてルフィシロウの興味を引こうとしていたのも、ルフィシロウが好きだからだ。<br />昨日のキスも全部。<br />「ゾロミチくんがボクのこと…？」<br />腕の中で大人しくなったルフィシロウがやっぱり驚きも露わに見上げてくる。<br /><br />だからその上目遣いは反則だっつーの。<br /><br />天然の可愛さに舌打ちしたい気分になる。<br />だがその代わりに出た言葉は全然別のもので。<br /><br />「メガネ、外してイイか？」<br />「え？うん、イイけど」<br />ゾロミチが外したルフィシロウのメガネは、涙の跡がレンズについていた。<br />メガネをケーキの箱の残骸が乗っているローテーブル置いて、素顔のルフィシロウを見る。<br />学校ではブチキレた時に見ることが出来るくらいだ。<br />滑らかなカーブを描く頬はすべすべした感触で。<br />濁りのない黒い宝石のような大きな瞳は強さを兼ね備え、形の良い鼻と薄ピンクのクチビルと一緒に小さな顔の中に納まっている。<br />左目の下、頬に走る傷跡は子供の頃のものなのだろうか？<br /><br />「あんま、見ないで…」<br /><br />なんてそんな、恥じらったように視線を逸らすから、衝動も沸き上がってきてしまうわけで。<br />ゾロミチは衝動に素直に従うことにした。<br />ルフィシロウの頬を両手で包むように持ち上げ、上から口付ける。<br />不意打ちのようなキスに隙があったルフィシロウの口中に侵攻し、口蓋を舐め歯列を辿る。<br />逃げる舌を追って掴まえ、わざと音を立てて絡ませた。<br />ゾロミチは知識を総動員させていた。<br />経験に基づくわけではなく、あくまで知識。<br />多分こんな感じ…的な。<br />キスから解放すると、ルフィシロウは“はぁ…”と熱の感じられる息を吐いた。<br />目元と頬が上気している。<br />どうやらディープキスに成功と判断。<br />「ゾロミチくん、ヒドイや…」<br />「なにがだよ？」<br />突然詰られて憮然として答える。<br />「キ、キス…きゅ、急に…」<br /><br />だ・か・ら…！！<br /><br />恥じらいつつそう言うルフィシロウはまるで可憐なオトメのようだ。<br />バックに花やらキラキラした点描が見える（ゾロミチビジョン）。<br />倒れそうになったが、ゾロミチは寸での所で踏み止まった。<br />“カッコイイオレ”でいたいお年頃。<br />そのままルフィシロウをソファの上に押し倒す。<br />「オレも昨日オマエにしたのが初めてだったよ」<br />フッという微笑みは計算。<br />「じゃ、じゃぁ今したのは」<br />「二回目だ、シロウ」<br />嬉しそうに笑ったカワイイ人に三回目のキスを落とす。<br />やがてルフィシロウの腕がおずおずとゾロミチの背中に回される。<br />組み敷いた体からはすっかり力が抜けていて、今ならなんでも許される気がする。<br /><br />ラッキーチャンス！<br /><br />そう判断して、口付けたままルフィシロウのシャツの裾から腕を差し入れた。<br />細い肩がビクリと震えたのがわかってゾクゾクする。<br />「んんーっ！！」<br />ルフィシロウが抵抗を始めた。<br />と、思った瞬間、吹き飛んでいた。<br />床に打ち付けた頭が痛い。<br /><br />ギア２…！<br /><br />「ゾロミチくんのバカーーーーーっ！！」<br />朦朧としたままルフィシロウの声を聴いた。<br /><br />調子に乗りすぎて…すいません…<br /><br />それを最後にゾロミチの意識は途絶えたのだった。<br />この後何度も同じようなことを繰り返すことになるとはまだ予想すらしていない、そんな二人のある日の出来事。<br /><br /><br /><br />End.<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ <br /><br />改めまして、トウヤさん相互リンクありがとうございます！！ <br /><br />リクエストを無理矢理お訊きしたんですが←<br />『ミチシロ』というお題をいただきました。<br />ミッチーもシロウくんも萌えどころ満載でダイスキなんですが<br />初挑戦なので大目に見ていただけると嬉しいです＞＜ <br />の割に長くなってしまってすみませ…！<br />まぁ出来はどうあれ押し付けるんですけどね！！← <br /><br />お礼ですので<span style="color:#ff0000">トウヤさんのみお持ち帰りオケー</span>です。 <br />これからも末永くよろしくお願いします！！ <br /><br />トウヤさんの素敵☆サイトさまはこちら→<a href="http://gem.pandora.nu/zl/" target="_blank" title="海賊屋13">海賊屋13</a> <br /><br />2008/05/31 <br /><br />＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊</font><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ゾロル/パラレル</dc:subject>
<dc:date>2009-05-30T22:58:56+09:00</dc:date>
<dc:creator>silenceAI</dc:creator>
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